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乾癬かんせんは、ライフスタイルにあった
治療法が相談できる時代です。

慢性の皮膚疾患である乾癬は、日本では約50~60万人 1)2)の患者さんがいるとされ、近年増加傾向にあります 3)。現在の乾癬治療には多くの選択肢があり、一人ひとりにあった、最適な治療法を検討できるようになりました。医師とともに治療目標を設定し、自分のライフスタイルにあった治療を継続していきましょう。

乾癬とは

免疫が過剰に働くことで
発症する、慢性皮膚疾患です

乾癬は、慢性の炎症性の皮膚の病気です。皮膚の細胞が異常に増殖することで、さまざまな症状が出てきます。近年は食生活の欧米化などによって増加傾向にあり 3)、約2:1の割合で男性に多いこと 4)、思春期以降、または中年以降の発症が多いことが特徴です。
また、乾癬という病名から“感染する/うつる”のではないかと誤解されることがありますが、乾癬は人から人へうつることは絶対にありません。

乾癬治療の種類

乾癬の治療法は、4種類あります

乾癬の治療法には、外用療法(塗り薬)、内服療法(飲み薬)、光線(紫外線)療法、注射療法(生物学的製剤による治療)の4種類があり、患者さんの状態に合わせて選択されます。治療は納得した上で受けることが重要であるため、患者さんの症状や治療目標などについて、主治医とよく話し合いましょう。

外用療法外用療法

外用療法

内服療法内服療法

内服療法

光線療法光線療法

光線療法

注射療法注射療法

注射療法

外用療法(塗り薬)

多くの患者さんが、まず「外用療法」から治療をはじめます。これは皮疹に直接薬を塗って症状を改善するものです。軟膏、クリーム、ローションなどの種類があり、塗る部位に適したものを選びます。

内服療法(飲み薬)

皮疹が広範囲に広がっていたり、背中など塗り薬を使いにくい場所にできた場合は、「内服療法」が使われることがあります。単独でこの治療を行うこともありますが、多くは「外用療法」や「光線療法」と同時に行われます。

光線(紫外線)療法

紫外線が持つ、「免疫の過剰な働きを抑制する力」を利用し、体に害を与えにくい紫外線を皮疹にあて、症状の改善をうながす治療法です。「外用療法」で効果がみられない場合や、皮疹の範囲が広くて薬を塗るのが大変な場合などに行われます。

注射療法(生物学的製剤による治療)

「生物学的製剤」は、「内服療法」や「光線療法」で、皮膚や関節症状の改善が十分にみられない場合に使用します。現在、乾癬に対して、日本で用いることのできる生物学的製剤は数種類あり、より患者さんの状態やライフスタイルにあった薬剤を選択できるようになりました。

高額療養費制度について

「高額療養費制度」を
知っていますか?
一部の医療費が返還される
かもしれません

乾癬の治療における
医療費助成制度について

治療でかかった費用に保険が適用されることで支払う金額は一部となりますが、治療の種類によっては高額になる場合があります。そのようなときに利用できるのが、医療費助成制度です。乾癬治療で利用できる医療費助成制度のうち、医療費の負担が軽減される制度は、2種類あります。

高額療養費制度

長期間の入院や、高額な治療を受けた場合、医療費の負担が高額になる場合があります。そのような場合に、家計の負担を軽減させる措置として、一定の額(自己負担限度額)を超えた分の医療費が返還される制度「高額療養費制度」があります。ご自身の該当区分や申請方法などの詳細については、加入している医療保険の窓口にお問い合わせください。

※本項では、公的な医療保険(国民健康保険〈国保〉、健康保険組合〈健保〉、後期高齢者医療制度など)を、「医療保険」とします。

医療費の負担が軽減される制度を
利用した場合の支払いイメージ

医療費の負担が軽減される制度を利用した場合の支払いイメージ医療費の負担が軽減される制度を利用した場合の支払いイメージ

自己負担限度額

医療費が高額になった場合に、負担が大きくなりすぎないよう設定された上限額。年齢、所得、1カ月の医療費により異なります。下記の図をご参照ください。

69歳以下の方の自己負担限度額の計算

69歳以下の方の自己負担限度額の計算69歳以下の方の自己負担限度額の計算

70歳以上の方の自己負担限度額の計算

70歳以上の方の自己負担限度額の計算70歳以上の方の自己負担限度額の計算

※1 自己負担額と保険者(健康保険組合など)の負担額を合計した総額です。保険者(健康保険組合など)の負担額がわからない場合は、(自己負担額)÷(負担割合)で計算が可能です。
※2 院外処方の薬剤がある場合はその費用を、処方せんを発行した医療機関(診療科)の費用と合計します。
※3 年間(前年8月〜その年の7月)の自己負担上限額は144,000円です。
※4 外来受診のみ(個人ごと)の場合は多数回該当の適用はありません。

限度額適用認定証

高額療養費は、後から払い戻されるため、一時的な支払いが多くなってしまうことがあります。「限度額適用認定証」を窓口に提示すると、窓口での支払いを自己負担限度額に抑えることができます。

高額医療費貸付制度

高額療養費の払い戻しを受けるまでの約3カ月間、当面の医療費の支払いにあてるために無利子でお金を借りられる制度です。

多数回該当

直近の12カ月(※)で、高額療養費の払い戻しが3回以上ある場合、4回目から自己負担限度額がさらに引き下げられる制度です。上記の図をご参照ください。

※治療を受けた月が今年の12月の場合、今年の1月から12月までの12カ月間です。

世帯合算

同一世帯(医療保険が同じ)の2人以上の家族が、同月にかかった医療費の自己負担分を合計(合算)して、その合計額が自己負担限度額を超えた場合、高額療養費の適用が受けられる制度です。(ただし、69歳以下の場合、合算できるのは2万1,000円以上の自己負担分のみ)

付加給付制度

企業などの健康保険組合や共済組合によっては、自己負担額が一定の額を超えたときに、超えた分を付加金として給付される制度です。申請方法については、ご自身が加入している医療保険の窓口にお問い合わせください。

参考
1) Kubota, K., et al.: BMJ. Open., 5:1, 2015. 2) 照井正 他:臨床医薬, 30:279, 2014.
3) T. Ito et al; J Dermatol. 2018 Mar;45:293-301 4) Takahashi H, et al: J Dermatol, 38:1125, 2011