











掌蹠膿疱症の
患者さんが抱える心身の
「痛み」を 「分かち合う」
ことを目指して。
ひとりの声に寄り添い、共感することで、
少しでも痛みを和らげる力になりたい。
「ぶんつうプロジェクト」は、
掌蹠膿疱症という、
まだあまり知られていない皮膚疾患への
正しい理解を深めるために立ち上がりました。
この病気は、⼿のひらや⾜のうらにうみを持った
小さな⽔ぶくれがくり返しでき、
患部にかゆみや痛みが生じ、
悪化すると激しい痛みを伴うこともあります。
“手で触れる”、“歩く”といった
日常的な動作に支障が出るうえ、
症状の見た目で偏見を持たれるなど、
精神的な悩みを抱える方も少なくありません。
「ぶんつうプロジェクト」は、
患者さんの心身の痛みを、
聞いたり、話したりする機会をつくり、
少しでも多くの人が痛みを受け止め、想像し、
共感できる仕組みづくりに取り組んでいきます。
協力:PPPコミュニティ(掌蹠膿疱症患者会)
声で分かち合うラジオドラマ
掌蹠膿疱症と共に生きる患者さんの
エピソードから生まれた、ラジオドラマ。
物語を通して、痛みを分かち合いませんか?
「忘れられないあの日……」
「心に刺さる言葉」
「一歩が踏み出せず……」
「痛いの、痛いの、飛んでいけ」
感染することのない
皮膚疾患
「掌蹠膿疱症」とは、掌(しょう)=手のひら、蹠(せき)=足のうらに、うみを持った小さな水ぶくれ(膿疱)がくり返しできる皮膚の病気で、英語ではpalmoplantar
pustulosis、略して「PPP」と呼ばれています。膿疱の中には細菌やウイルスなどの病原体は入っていないため、直接触れても決して人に感染することはありません。
現在、日本にはおよそ13万6千人の掌蹠膿疱症患者さんがいると推測されていて1)、その男女比はおよそ1:21, 2)、発症は30~50代に多い2, 3)傾向があります。
特徴的な症状は、まず膿疱のできはじめはかゆみを伴うことが多く、しばらくすると茶色いかさぶたになり、はがれ落ちます。悪化すると、患部のまわりの皮膚の炎症が起き、角層が積み重なることで痛みが生じ、それはまるで画びょうが直接肌に突き刺さるような壮絶なもの。普段からよく使う手足の症状なだけに、「普通に歩くことができない」「ものが持てず、家事ができない」「顔や髪が洗えない」など、患者さんの日常生活に大きな支障を及ぼします。
こうした症状のほかに、爪の変形や、関節・⾻そのものに炎症が起きるなど、さらに激しい痛みを伴うこともあります。
また、症状の見た目や痛みによって、仕事に影響が出たり、人の視線が気になって外出が億劫になったりと、心の痛みを抱える患者さんも少なくありません。
掌蹠膿疱症の原因は解明されていないことも多く残されていますが、現在は様々な治療法があり、決して治らない病気ではありません。社会全体で病気への理解を深め、患者さんの心身の痛みを分かち合いましょう。
1) Kubota, K. et al.: BMJ. Open, 5: e006450. 2015
2) 藤城幹山ほか.: 日皮会誌., 125: 1175, 2015
3) Akiyama, T., et al.: J. Dermatol., 22: 930, 1995