総合監修:社会福祉法人聖母会聖母病院 皮膚科部長 小林 里実 先生

掌蹠膿疱症を知ろう
掌蹠膿疱症の治療法
掌蹠膿疱症のQ&A

掌蹠膿疱症を知ろう

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掌蹠膿疱症ってどんな病気?

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掌蹠膿疱症とは

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」とは、手のひら[手掌(しゅしょう)]や足のうら[足蹠(そくせき)]に、水ぶくれ[水疱(すいほう)]やうみ[膿疱(のうほう)]がくり返しできる病気です。膿疱の中に菌は入っていないため、人に感染することはありません。
「掌蹠膿疱症」とは、手のひらや足のうらに、うみをもった小さな水ぶくれ(膿疱)がくり返しできる病気です。膿疱の中には細菌やウイルスなどの病原体は入っていないため[無菌性膿疱(むきんせいのうほう)]、直接触れても人に感染することはありません。

掌蹠膿疱症の症状

主に、手のひらと足のうらに、水疱や膿疱などの病変があらわれます。手のひらや足のうら以外にも、すねや膝、肘、頭などに症状があらわれることがあります。爪が変形したり、骨や関節が痛んだりすることもあります。

手のひら、足のうらの症状

特徴的な症状は、小さな水ぶくれ(水疱)からできる膿疱です。できはじめにかゆみを伴うことが多く、しばらくすると膿疱が乾いて茶色っぽいかさぶた[痂皮(かひ)]となり、はがれ落ちます。まわりの皮膚にも炎症がおよんで赤くなり[紅斑(こうはん)]、表面の角層(かくそう)が浮いてきてカサカサします[鱗屑(りんせつ)]。角層がつみ重なって厚くなると、歩くたびにひび割れて痛みを生じます。
膿疱は、次々に出てくる場合と、良くなったり悪くなったりを周期的にくり返す場合とがあります。疲れた時や、風邪などでのどの痛みを感じると悪くなるなど、どんな時に悪くなるのかを自身で把握することは、治療を考えるうえで大切です(症状の緩和、予防法に関しては「 感染症の予防と規則正しい食生活」を参照)。
手のひら、足のうらでは、次のイラストに示されている場所に症状があらわれることが多いです。

写真提供:社会福祉法人聖母会聖母病院 皮膚科部長 小林 里実 先生

写真提供:社会福祉法人聖母会聖母病院 皮膚科部長 小林 里実 先生

浮いてめくれてくる角層(鱗屑)をはがして整えたくなるかもしれませんが、刺激によって悪化することがあるため(ケブネル現象)、絶対にやめましょう。同様に、水疱や膿疱を無理につぶしたり、はがし取ったりすることもやめましょう。
手のひらや足のうら以外に、すねや肘、膝、頭、おしりなどにカサカサした紅斑がでることがあり、「掌蹠外病変(しょうせきがいびょうへん)」と呼ばれます。ときに、掌蹠外病変にも膿疱がみられることがあります。(ご自身の重症度を確認したい方は「症状チェック(PPPASI計算ツール)」を参照)

爪の症状

掌蹠膿疱症の症状が爪にあらわれると、爪の下に膿疱や凹みができたり、爪の変形がおきたり、爪がはがれて浮いてきたり、爪の下が厚くなってもり上がってきたりします。これらも適切な治療でよくなります。

写真提供:社会福祉法人聖母会聖母病院 皮膚科部長 小林 里実 先生

骨や関節の症状(掌蹠膿疱症性骨関節炎)

掌蹠膿疱症の重要な合併症として、骨と骨、骨と腱がくっつきあうところ[関節や付着部(ふちゃくぶ)]や、骨そのものに炎症がおきて激しい痛みを伴う「掌蹠膿疱症性骨関節炎(しょうせきのうほうしょうせいこつかんせつえん)」があります。特徴的な部位として、胸骨と鎖骨、胸骨といちばん上の肋骨、上下の胸骨の結合部に起こることが多く、首の付け根から胸に突然の激痛が走り、心筋梗塞や狭心症と間違えられることもあります。また、背骨や腰の骨、手足の骨にも炎症を生じることがあり、患者さん自身はただの腰痛と勘違いされていることもあります。患者さんによっては、こうした関節症状が皮膚症状よりも先にあらわれます(詳細は「掌蹠膿疱症性骨関節炎」を参照)。

掌蹠膿疱症性骨関節炎に対しては、皮膚症状に対する治療とは別の治療が必要になりますので、気になる関節の痛みがあれば、皮膚科医にも伝えるようにしましょう。
また、関節の痛みで整形外科等を受診している場合も、医師に掌蹠膿疱症にかかっていることを伝えましょう。