総合監修:社会福祉法人聖母会聖母病院 皮膚科部長 小林 里実 先生

掌蹠膿疱症を知ろう
掌蹠膿疱症の治療法
掌蹠膿疱症のQ&A

掌蹠膿疱症Q&A

患者さんに知っておいてほしいこと

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日常生活で気をつけることはありますか?

禁煙、よい口腔環境を保つこと、風邪や扁桃炎の予防、皮膚への刺激を避けることなどがあります。その他、規則正しい食生活や、ストレスをためこまないことなども心がけるようにしましょう1)

禁煙のみで治ることはむしろ稀ですが、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の患者さんには喫煙者が多く、喫煙は悪化因子の一つと考えられています。

また、ほとんど無症状の歯の根元のうみ[根尖性(こんせんせい)歯周炎]や歯槽膿漏[辺縁性(へんえんせい)歯周炎]などの歯周炎、扁桃炎、慢性の副鼻腔炎など、通常では治療の対象にならない程度の炎症を治療することで掌蹠膿疱症の症状が改善したり、治ったりする場合もあります。毎日の口腔ケア、早めの歯科治療、定期的な歯科健診を行うことが大切です。風邪をひくと扁桃にうみがつきやすい、副鼻腔炎になりやすいという方は、主治医にそのことを伝えておきましょう。
(症状悪化の原因については「扁桃炎や歯周炎などの治療、禁煙など」を参照)

掌蹠膿疱症の患者さんの中には、下痢と便秘をくり返す過敏性腸症候群や、頑固な便秘を併発していることがあるので、腸内環境を整えることも重要です。
他にも、ストレスをためこまないこと、骨関節炎が起きている部位を安静に保つこと、過度のお酒をひかえるといったことも日常生活で気をつけるポイントです。

1) 小林里実.: 皮膚臨床., 60: 1539, 2018