総合監修:医療法人桜仁会 いがらし皮膚科東五反田 院長 五十嵐 敦之 先生

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乾癬の重症度判定について

重症度の判定には、皮膚の状態をもとにした方法、患者さん自身が皮膚の症状によって感じる不便さをもとにした方法があります。乾癬の状態や治療効果を把握するために、患者さん自身も重症度を知ることがとても重要です。

乾癬の症状がどの程度重いか(重症度)は、大きく軽症・中等症・重症に分けられます。医師は、複数の評価方法を用いて、総合的に患者さんの重症度を判定します。皮膚の状態をもとに点数化する方法には、BSA、PASI(パシ)、患者さん自らが評価するSAPASIなどがあります。また、患者さん自身が皮膚の症状によって感じる不便さをもとに点数化する方法には、DLQI、PDIなどがあります。

医師が評価する方法

BSA(Body Surface Area):
皮疹の出ている面積が、全身の皮膚面積の何%にあたるかを計算する方法です。計算には目で見て病変の広さを測る方法と、手のひらを使って測る方法があり、手のひらと5本指の大きさが全身の皮膚面積の1%に相当すると考えられています。3%未満は軽症、3~10%は中等症、10%超は重症とされています1)

PASI(Psoriasis Area Severity Index):
全身を頭・胴体・手・足の4つの部位に分け、どの部分に、どのくらいの大きさの、どの程度の皮疹があるかを調べることで、全身の重症度を点数化する方法です。治療の効果は点数がどの程度低下したかどうかで判定します。

PASI(Psoriasis Area Severity Index):全身を頭・胴体・手・足の4つの部位に分け、どの部分に、どのくらいの大きさの、どの程度の皮疹があるかを調べることで、全身の重症度を点数化します。治療の効果を表す点数はなし(0点)から極めて重症(4点)まであります。

患者さんが評価する方法

SAPASI(self administered PASI):
PASIの考え方をもとに、患者さん自身が皮疹の状態を評価する方法です。患者さんは、皮膚の赤み(紅斑:こうはん)、盛り上がり(浸潤:しんじゅん)、フケのようなかさぶた(落屑:らくせつ)の、それぞれの程度をVASを用いて評価します。VASとは「症状がない」を0、「非常に悪い」を100mmとしたときに、自分の症状がどの程度なのかを長さで示す方法です。患者さんが表した数値と、医師が判定した点数(PASIと同様)を合わせて計算し、最終的なスコアを求めます。

乾癬のVAS記入例

患者さん自身が皮膚の症状によって感じる不便さをもとに点数化する方法

DLQI (Dermatology Life Quality Index):
患者さんが皮膚の状態によって感じる日常生活の不便さについて、代表的な10の質問に回答し、その回答を点数化します。点数の範囲は0(生活の質が最も良い)~30(生活の質が最も悪い)で判定します。治療の効果は点数がどの程度低下したかどうかで判定します。

DLQI (Dermatology Life Quality Index)には、症状・感情、仕事・学校、日常活動、人間関係、レジャー、治療に関する10項目の質問があります。

SF-36(36-Item Short-Form Health Survey):
身体面および精神面の健康度を評価する方法です。乾癬だけではなく、いろいろな病気で使われる質問票です。36個の質問に対する回答を点数化し、高い点数ほど健康であるといえます。

PDI(Psoriasis. Disability Index):
乾癬だけに用いられる、生活の質の評価方法です。
「日常生活」「仕事」「交際」「治療」に分類された15の評価項目を用いて点数化します。
治療の効果は点数がどの程度低下したかどうかで判定します。

参考

乾癬の合併症について