乾癬は皮膚だけの病気ではありません
精神面やメタボリックシンドロームとの関連が注目されています
近年、乾癬は「More than skin deep」、すなわち皮膚にとどまらない病気であるといわれるようになりました。
皮膚という外見に現れる疾患であることから、他人の目が気になったり、それにより引きこもりがちになったり、気分がふさいでしまったりといった精神面への影響で、うつ病を合併されることもあります。いままで興味をもって取り組んでいたことを楽しめなくなったり、よく眠れなくなったりした場合は、一人で抱え込まず、主治医や家族に早めに相談するようにしましょう。
また、乾癬の患者さんでは脂質異常症(高脂血症)や高血圧、肥満をはじめとするメタボリックシンドロームを合併する人が多いといわれています。さらに重症の方では、心筋梗塞の発症リスクが高く、海外の大規模調査では平均寿命が約6年短いと報告されています1)。
1)Abuabara Kら. Br J Dermatol 2010;163:586-592.
高橋 英俊 先生(高木皮膚科診療所)からのコメント
若い患者さんで重症な方では、早期に全身療法を受けることが重要だと考えられています。皮膚だけの病気とは思わず、食生活に気を配りメタボを予防したり、お酒・タバコを控えるなど、健康的な生活を心がけましょう。